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なぜメロン栽培に防虫ネットが必須なのか
メロン栽培において、防虫ネットは単なる害虫対策以上の、安定した収穫を支える生命線です。特に施設栽培や初期の露地栽培では、ウリハムシ、アブラムシ、コナジラミ、アザミウマといった害虫の侵入を防ぐことが極めて重要になります。
これらの害虫の中でも、特に警戒すべきはウイルス病を媒介するアザミウマ類やコナジラミ類です。一度ウイルス病(メロン退緑黄化病など)が発生すると、その株は回復せず、周囲に病気が広がるリスクも高まります。このウイルス病対策こそが、防虫ネットの目合い(網目の大きさ)選びの最大のポイントとなります。
しかし、目合いを細かくすればするほど、換気性の低下とハウス内温度の上昇という新たな問題が発生します。農家として、この「防虫効果」と「環境制御」のトレードオフをどう乗り越えるかが、ネット選びの鍵となります。
1. メロン栽培で防除すべき主要な害虫と目合いの基準
メロンに被害を与える主要な害虫と、それらを物理的に防ぐために必要な目合いの目安は以下の通りです。
害虫の種類 | 主な被害 | 体長(目安) | 推奨される目合いサイズ | 備考 |
アザミウマ類 | ウイルス病媒介、吸汁害 | 1.0〜1.5mm | 0.4mm | ウイルス病対策の最重要ターゲット。 |
コナジラミ類 | ウイルス病媒介、吸汁害 | 1.0mm前後 | 0.4mm | アザミウマ類と並ぶウイルス病媒介者。 |
ハモグリバエ類 | 葉への食害(絵描き) | 2.0mm前後 | 0.6mm | 葉の光合成能力を低下させる。 |
ウリハムシ | 葉や茎の食害 | 6.0〜8.0mm | 1.0mm | 初期生育の阻害要因。 |
【農家目線での結論】
ウイルス病を媒介するアザミウマ類やコナジラミ類を防ぐには、目合い0.4mmが最も確実な「正解」となります。しかし、このサイズは環境制御の難易度を上げるため、栽培時期や場所に応じた戦略的な使い分けが必要です。
2. 目合いサイズ別!農家が知るべきメリットとデメリット
目合いサイズごとの機能的な特徴と、農家が直面する現実的な課題を比較します。
目合いサイズ | 主な防除対象 | メリット(利点) | デメリット(課題) |
0.4mm | アザミウマ、コナジラミ(ウイルス病対策) | ほぼ全ての害虫をシャットアウトできる。 | 換気性の大幅な低下、ハウス内温度の著しい上昇(高温障害リスク)、高コスト。 |
0.6mm | ハモグリバエ、アブラムシ | 0.4mmより換気性が良く、主要な害虫の多くを防げる。 | アザミウマ、コナジラミの侵入を完全に防げないリスクがある。 |
1.0mm | ウリハムシ、大型の害虫 | 換気性が非常に良く、温度上昇を抑えられる。 | ウイルス病媒介害虫(アザミウマ、コナジラミ)の侵入を許してしまう。 |
特に注意すべき点: 目合いが0.4mmになると、換気量が大幅に減少し、特に夏場の施設栽培ではハウス内気温が1.0mmネット使用時と比較して数℃高くなるというデータもあります。この高温はメロンの生育に悪影響を及ぼすため、細目ネットの使用は細心の注意と換気対策(強制換気など)が求められます。
3. 【実践編】目合いの「正解」は栽培時期と場所で変わる
「目合いは何mmが正解か?」という問いに対する答えは、「何を最も防ぎたいか」と「環境制御が可能か」によって変わります。
施設栽培(ハウス)の場合
施設栽培では、側窓や天窓の開口部にネットを張ります。
- 定植初期〜生育初期(ウイルス病対策最優先期)推奨:目合い0.4mm 最もデリケートな時期であり、ウイルス病の初期感染を防ぐことが最優先です。多少の高温リスクを負ってでも、最も細かいネットで物理的にシャットアウトします。
- 高温期(換気性も重視する時期):推奨:赤色防虫ネット(例:サンサンネットe-レッド)の0.6mm〜0.8mm 赤色ネットは、太陽光の特定波長をカットすることで、0.4mmの白色ネットと同等のアザミウマ類への侵入抑制効果が期待できるとされています。目合いが0.8mmと粗くなることで、0.4mmネットよりも換気性が向上し、高温障害のリスクを軽減できます。
露地栽培(トンネル)の場合
露地栽培では、トンネル支柱にネットを被覆します。
- 定植直後〜本葉5〜6枚期(ウリハムシ対策最優先期):推奨:目合い1.0mm 初期の食害を防ぐことが主目的です。この時期はまだ株が小さく、ウリハムシによる食害が致命的になりやすいため、ネットで覆います。
- 交配期:推奨:ネットの開放または除去 人工授粉やミツバチによる交配が必要な時期は、ネットを一時的に開放または除去する必要があります。この期間は、薬剤散布などで害虫の密度を低く保つ必要があります。
4.農家が選ぶ!おすすめ防虫ネット製品
プロの現場で広く使われ、信頼性の高い製品として、日本ワイドクロス株式会社の「サンサンネット」シリーズが挙げられます。
製品名 | 目合い(mm) | 特徴 | 用途 |
サンサンネット ソフライト SL4200 | 0.4 | 軽くて通気性・耐久性に優れ、ウイルス病媒介害虫対策の決定版。 | ハウスの側面・天窓(ウイルス病対策最優先期) |
サンサンネット N3300 | 0.6 | 0.4mmと1.0mmの中間で、ハモグリバエ対策に有効なバランス型。 | ハウスの側面・天窓(高温期、ハモグリバエ対策) |
サンサンネット e-レッド | 0.6〜0.8 | 赤色の特殊ネット。0.4mm相当のアザミウマ抑制効果を持ち、換気性を向上させる。 | ハウスの側面・天窓(高温期のウイルス病対策) |
これらの製品は、耐候安定剤入りで丈夫で長持ちし、汚れても洗って再利用できる点も、コストを重視する農家にとって大きなメリットとなります。
まとめ:最適なネット選びのチェックリスト
メロン栽培における防虫ネットの最適な目合いを選ぶためのチェックリストです。
- 1.ターゲット害虫の確認: ウイルス病媒介害虫(アザミウマ、コナジラミ)が問題なら0.4mmが基本。ウリハムシ対策なら1.0mmでも可。
- 栽培環境の確認: ハウス栽培で高温対策が必須なら、0.4mmは避けるか、強制換気とセットで考える。
- 代替策の検討: 高温対策と防虫効果を両立したい場合は、赤色防虫ネット(0.6mm〜0.8mm)を検討する。
最適なネット選びは、地域の気候、栽培時期、そして最も防ぎたい病害虫によって常に変化します。この情報を参考に、ご自身のメロン栽培に最適なネットを選定し、安定した高品質なメロン生産を目指してください。
▼ メロン栽培の全体の流れを知りたい方はこちら
▶︎ メロンを種から育てて収穫するまでの栽培手順
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